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髙山産業株式会社

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経営革新計画のテーマ
 災害時対応LPガス供給発電システムの企画と販売普及

髙山産業株式会社は、半世紀以上にわたって、地域に根ざしてLPガスおよび関連機器の販売を手がけるとともに、ガソリンスタンドの経営を行ってきた。エネルギーの中心が電気や都市ガスへと変わる中で、経営資源を活用した事業転換を模索。新たに「災害時対応LPガス供給発電システム」(名称:ELS発電システム。商標登録申請中)を備えた賃貸ビルを建設中で、2015年4月末の竣工を予定している。これを起点にして、LPガスの需要を喚起するとともに、災害時の拠点となる施設を提案していくことで、新たなビジネスモデルの構築をめざしていく考えだ。


遊休資産とノウハウを活用した新たな事業展開

経営革新計画を推進する専務取締役の髙山敬氏

経営革新計画を推進する専務取締役の髙山敬氏

LPガスは、大規模な設備を持つことなく、手軽に利用できるメリットがある。しかし、都市ガスや電気の普及にともない、LPガスの市場は1990年代から減少傾向にある。1959年以来、地域でLPガスの販売を手がけてきた髙山産業にとって、市場の変化への対応は急務となっている。また、事業の一つであったガソリンスタンドの経営も競争が激しく、採算が見込めないことから撤退せざるを得ない状況となった。そこで同社では、専務取締役の髙山敬氏が中心となって、収益基盤の拡大をめさして新たなビジネスモデルの構築に取り組んでいる。
 髙山専務が着目したのは、長年にわたるLPガスの販売のノウハウと、ガソリンスタンドの跡地である。特にLPガスの特性に注目し、そのメリットを活かした施設の企画、運営に活路を見いだすこととなった。「LPガスだけを売るという発想には限界があります。ビジネスの視点を変えて、システムとして提案することで新たな可能性を見いだしたいと考えています」と髙山専務は語っている。
 阪神淡路大震災における経験からも明らかなように、都市ガスは便利で経済性が良い反面、大地震の際に配管が壊れて供給が停止する恐れがある。その点、ボンベで供給されるLPガスは、災害時に強いエネルギーといえる。そこで、同社ではLPガスによる発電システムを活用した施設の企画と運用をめざしている。


停電時にLPガスによる電力供給が可能

2015年4月に竣工予定の「ラビットビル」。地域に親しまれる施設をめざして、ウサギのマスコットを考案。

2015年4月に竣工予定の「ラビットビル」。地域に親しまれる施設をめざして、ウサギのマスコットを考案。

今回、経営革新計画で検討したのが、「災害時対応LPガス供給発電システム」(同社の独自名称)の構築と販売である。そのモデル事業として、ガソリンスタンドの跡地に自社物件として賃貸ビル(名称:ラビットビル)の建設を検討。エネルギー源としてLPガスの設備を導入した。平常時においては、ガスコンロや給湯器など熱源にLPガスを使用して、電源は電力会社から購入する。
 一方、停電時の際は電源をLPガス供給発電システムに切り替えることで、電力会社からの電力供給がストップしても電源を確保できるようになっている。電力会社から購入する電力と非常用電力は別回路となっていて、停電時に手動もしくは自動で切り替えることが可能だ。当ビルには住居部に加えて、2階にオフィス用のスペースを設けており、BCP(事業継続計画)の観点から電力を常に確保する必要がある事業所にとって利用メリットが大きいといえる。2014年末の時点で、髙山専務は「医療系のテナントを誘致したい」との意向だ。
 また、ビル内に設置した発電用エンジンは空冷式のため、水冷式のように冷却水のメンテナンスが不要という。加えて、ガスのストック量やエンジンの出力は、施設の規模や用途に応じて柔軟に選択できるため、中小の施設においても導入が検討可能だ。そのほか、LPガス供給ユニットにガス取り出し用のコックが設置されているため、災害時にそのガスを使用して、地域住民への炊き出しなどが可能である。髙山専務は、「LPガス発電機を導入したマンションやテナントビルは、少なくとも兵庫県内において初めてのケース」と述べている。


地域の防災にも貢献できるシステムをめざす

「災害時対応LPガス供給発電システム」の概要。

「災害時対応LPガス供給発電システム」の概要。

今後は同ビルでの実証事業を行うとともに、「災害時対応LPガス供給発電システム」の販売を計画している。全国の地方自治体などを対象に、災害時におけるシステムの有効性を宣伝し、普及を図っていく考えだ。具体的には、小規模なマンションや福祉施設、公民館や学校などに同システムを設置することで、災害発生時の炊き出し用ガスおよび非常用電源として使用することができる。そして、施設ごとにエネルギーを貯蔵でき、災害発生の直後から被災者救援の拠点とすることが可能だ。こうした拠点を計画的に配置していくことで、防災計画をより綿密に立てることができるのだ。
 「当システムは公共施設をはじめとする事業所のBCPに役に立つだけでなく、施設のある周辺地域のためのCCP(地域継続計画)から見ても貢献できる可能性を秘めており、これからの社会に必要なシステムとなります」と髙山専務は述べている。システムの導入コストは規模によって異なるが、おおよそ数百万円の単位。施設全体の事業費からすると、初期投資も維持費も抑えることが可能だ。
 LPガスを熱源と発電用に活用するというビジネスの取り組みは、まだ始まったばかりだ。今後、ビルでの実証事業を続けることで、より良いシステムの構築をめざしていく。将来、南海トラフ地震などの巨大地震の発生が予測される中で、「災害時対応LPガス供給発電システム」に対する期待が高まっていくかもしれない。


【会社概要】

髙山産業株式会社
代表者 代表取締役社長 髙山 巖
本社 兵庫県西宮市中前田町1-27
電話 0798-33-0272
ホームページ http://www.yuworks.jp