コラム

NISHINOMIYANOIPPIN

No.20

和菓子の職人がパンに合わせて
本気で炊き上げた粒あん

食品

パンに合う粒あん

事業所

菓一條 栄久堂吉宗

西宮市羽衣町7-26 MIZUKIアルペジオ夙川1F
イメージ:パンに合う粒あん

皆さんのお気に入りの和菓子店はどこでしょう?中には「洋菓子店なら思いつくけれど和菓子店となると…」という方もおられるかも知れませんが、そんな方にこそご紹介したいお店が「菓一條 栄久堂吉宗」さんです。阪急夙川駅から徒歩約1分。販売店と喫茶室を同じ店舗内で営業されている人気店です。今回、同店が「パンに合う粒あん」というユニークな商品を販売され、評判を呼んでいるとのことで取材してきました。

すべては美味しい和菓子を届けたい一心で

店主の吉川壮一さんは、今のお店をお父様から継がれた2代目。最初は継ぐ気はなかったものの紆余曲折あって他店で修行を受けてみたところ実力主義の世界が性に合っていたそうで、以来、和菓子職人ひと筋とのこと。お父様の「美味しい和菓子をひたむきに作る」という姿勢を守りながらも、より良くするための努力を惜しまないことをモットーとされています。
「その一つが、餡炊きです。父親は餡を仕入れていたのですが、私の代から自分で炊くようになりました。すべては、より美味しい和菓子をお届けするためです。」

生涯修行と思いながら餡と向き合う日々

吉川さんは修業時代から数えて、すでに30年以上にわたり餡を炊いているそうですが、まだまだ満足していないと語ります。まともな餡が炊けるようになるまで少なくとも10年はかかると言い、仕入れた小豆の状態や保管状況、炊く時の気温、室温などで微妙な調整が必要だそうで「ゴールは自分が決めるものだけど、私は “無い”と思っています。今でも粒あんだけは他の人には任せられません。」とのこと。そんな吉川さんが自信をもって販売している「パンに合う粒あん」ですから、がぜん興味が掻き立てられます。それにしても、どうして「パンに合う粒あん」を作ろうと思われたのでしょう。

こだわりの餡を使い他にはない商品を

聞けば10年ほど前、喫茶室の客足の鈍りを懸念し、新しいメニュー開発に取り組まれた際、いろいろと模索する中で、名古屋出身の従業員から名古屋名物の「小倉トースト」の多くは市販の餡が使われていると聞かされたことがきっかけだとか。その時に「うちの餡を使えば、絶対に美味しいものができる!」と確信されたそうです。
そこから試行錯誤を繰り返しながら、粒を潰し過ぎず、残し過ぎない、絶妙な状態で炊き上げ、なおかつ有塩バターと組み合わせた時に一番おいしくなる塩梅に仕上げたとのことです。こうして無事に小倉ホットサンドと小倉トーストがメニューに加わり、モーニングサービスの看板メニューとなっていたのですが、新型コロナの緊急事態宣言で状況は一変します。

美味しさが認められて名誉ある賞を受賞

「おかげさまで和菓子の販売自体は大盛況。しかし、喫茶が営業できなくなり非常に困りました。そこで件の餡を瓶詰めして「パンに合う粒あん」と命名して販売することに決めました。」
これが、せっかくだから自宅で美味しいものを食べたい、というニーズを満たす商品として評判を呼び、コロナ前の日常が戻ってきた今でも、その人気は持続しているのだとか。
「私のおすすめは8枚切りの薄めの食パンに有塩バターと「パンに合う粒あん」をたっぷり塗って作るホットサンドです。ガス火で焼けばさらに美味しいですよ。」と吉川さん。
2023年11月にはジャパン・フード・セレクションでグランプリを受賞し、ますます注目を集める「パンに合う粒あん」、まだ食べたことがないという方は、ぜひこの機会にお試しください。

パンに合う粒あん

・750円(税込)

商品に関するお問い合わせ先
菓一條 栄久堂吉宗
西宮市羽衣町7-26 MIZUKIアルペジオ夙川1F
TEL: 0798(36)5431
URL: https://wagashi.gr.jp/