コラム

NISHINOMIYANOIPPIN

No.21

玩具でありアートでもある
集めたくなる組み木の魅力

工芸品

組み木と木のおもちゃ

事業所

有限会社遊プラン

西宮市山口町下山口5-3-17
イメージ:組み木と木のおもちゃ

「組み木」とは二つ以上の木片を組み合わせることで一つの形をつくり、また、それぞれを組んだり、外したりして遊ぶ、もしくは飾るものです。その中でも組み木の第一人者である小黒三郎氏の作品は、そのデザイン性、そして愛らしさで広く知られています。そんな小黒三郎氏の組み木と木のおもちゃの製造と販売を手掛ける有限会社遊プランさんが西宮市の山口町にあるということで伺い、代表取締役の今井聡さんからお話を伺ってきました。

小売店への卸売りをメインに魅力を発信

遊プランさんは、もともと1983年に芦屋市でスタートしたあと、西宮市の桜谷町にある木工のお店に間借りをするかたちで8年ほど前まで営業されていたそうです。
「ただ業務が拡大するとともに手狭になり、移転を考えていたところ自宅近くのこの場所を見つけました。西宮の中心地からは離れていますが、小売店への卸売りがメインなので問題ありません。」と今井さん。実際にサイズや色合いを確認したいという方のために、土曜日のみ予約制で展示販売されており、桃の節句や端午の節句が近づくと、組み木のひな人形や五月人形を求める方が各地から来られるそうですが、「普段は静かなものですよ」と笑います。

組み木デザイナー小黒三郎氏について

通していただいた建屋の二階はギャラリーさながら。たくさんの組み木と木のおもちゃが展示されています。それらを拝見しながら小黒三郎氏についてお話を伺いました。
今井さん曰く「1960年に多摩美術大学を卒業後、学校の美術教師を経て、1969年から盲学校、養護学校へ転任。視覚に頼らず子供たちにどう教えたらよいか試行錯誤する中で触察教具づくりを始めたと聞きます。当時は円形や長方形、L字型などシンプルなものを枠の中に収めるパズルのようなものだったようです。」とのこと。そこで組み木に未知なる可能性を感じた小黒氏は教職を離れ、組み木デザイナーとして独立されたそうです。

運命的な出会いをきっかけに遊プランを設立

その後、1980年にはロンドン・ピクトリア&アルバート美術館のジャパンスタイル展に代表作である「5匹の子ブタ」や数点の作品を出展。そのデザイン性から高い評価を受け、スイスのネフ社とデザイン契約を結ぶまでになりました。
そんな小黒氏と今井さんの出会いは個展がきっかけとのこと。「雑誌などで拝見していた方が目の前に居て感動しました。まさか、そこから1983年に遊プランを設立し、以来40年以上にわたってご一緒できるとは夢にも思いませんでした。」
現在小黒氏は創作活動を引退され、故郷である鎌倉に戻っておられますが、今井さんは、これまでに残された累計1000点におよぶ作品をさらに世に広めていくことが使命だと語ってくださいました。

技術のある職人の育成や資源の再利用にも注力

これからのビジョンについて伺うと「職人の育成に力を入れたい。」という答えが返ってきました。外注先が高齢化を理由に廃業される中、自社の工房で完結できる体制づくりに取り組んでおられるそうです。
「組み木の精度を保つには根気が必要です。あとは丁寧に作ろうという熱意が欠かせません。手作りですから一つひとつ表情は異なりますが、購入いただいた方にとっては、受け取った商品がすべて。これからも丁寧な仕事を続けていきたいです。」とのこと。
遊プラン創立40周年には、制作の過程で出てくる端材を再利用した「KOPPA SERIES」の販売を開始するなど、新たな試みにも取り組まれている同社。関心を持たれた方は、土曜日の展示販売を予約するか、全国の取扱店、もしくはネットショップの「SabuOguro KUMIKI SHOP」でお買い求めください。

組み木と木のおもちゃ

・5匹の子ブタ 着色無し4,950円(税込) 着色有り5,500円(税込)
・ドッグコレクション(36種類) 2,860円(税込)~4,620円(税込)
・KOPPA SERIES Sサイズ880円(税込) Lサイズ1,320円(税込)
など

オンラインショップ
https://u-plan.stores.jp/

商品に関するお問い合わせ先
事業所 有限会社遊プラン
西宮市山口町下山口5-3-17
TEL: 079(907)1577
URL: https://www.u-plan.jp/