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有限会社 ドイツ菓子 カーベ・カイザー

ドイツ菓子の基本は素材の厳選と


経営革新計画のテーマ
経営革新計画承認企業 有限会社ドイツ菓子カーベ・カイザー ヘルシーな大麦の食事パン おいしく食べて生活習慣病を予防。食物繊維豊富なルジーブレッド
国内産大麦を原材料とするルジー・ブレッドの開発・販売

大麦は穀類の中でも食物繊維が豊富で、健康食品、機能性食品として見直されつつある。特に、血中コレステロールを下げる働きや、大腸ガンの予防効果があるとされる食物繊維「β-グルカン」が多く含まれている。1本(230g)あたり、β-グルカン4.5g含有の大麦粉を使ったおいしい健康パン「ルジーブレッド」を開発した。

素材を厳選した質実剛健なドイツ菓子とパン。素材へのこだわりが店内のあちこちに素材を厳選した質実剛健なドイツ菓子とパン。素材へのこだわりが店内のあちこちに
1977年の開店以来、大隅オーナーシェフがドイツで学んだ伝統の製法を守り、厳選した素材のみを使ってお菓子を作り続けている。焼き菓子の隣にさまざまな種類のパンが並んでいるのはドイツではおなじみの光景である。ケーキ屋さんが焼いたおいしいパンを目当てに訪れる人も多い。中でも人気なのが、ルジーブレッド。パリッと香ばしい皮に、中はもっちりしっとり。噛むほどに味わいが増すおいしさに、ネット通販で求める人も多い。



糖尿病に苦しむお客様からの要望で、探し求めた素材と製法。

ルジーブレッドの製造を担当するチーフシェフの中村香苗さん。ルジーブレッドの製造を担当するチーフシェフの中村香苗さん。開発に苦労した分、愛着もひとしお。

ルジーブレッド誕生のきっかけは、「血糖値を気にせず食べられるものを作ってよ」というお客様のひと言であった。古くからのなじみのお客さまでカイザーのケーキやパンが大好きな人だったが、糖尿病になり食事制限されることになった。「体にいいパンを作って」という無茶ぶりとも言える注文であったが、オーナーシェフの大隈さんは真摯に受け止め、文献をあたり、見本市に出かけ、調査し、素材や製法などを熱心に研究した。

「自分自身も血糖値をはじめ健康が気になる年齢になってきているし、甘いものを作ってきた責任もあるしね」と、冗談めかして言う大隅さんだが、お客様に喜んでもらいたい一心で研究を重ねたのは言わずもがなである。

食材探しには難渋した。理想の食材を見つけ生産を始めたが入荷困難になり一からやり直すこともあった。メーカーに足を運び、食品見本市があると聞けば出向いて行った。2年近く経ったある日、見本市の会場で運命的な出会いがあった。

「これだ!」素晴らしい成分の国産大麦を発見。血糖値の上昇を抑えるβ-グルカン含有のパンが誕生

水溶性植物繊維β-グルカンを含んだヘルシーなルジーブレッド「血糖値の上昇を抑えるパン」の意味を込めて名付けられたルジーブレッド

つくば市にある独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構の作物研究所が開発した国産の大麦「ビューファイバー」である。大麦には白米の10倍以上の食物繊維が含まれており、ビタミンB1、B2、カルシウム、鉄分等も多く含んだ栄養バランスの良い食材である。なかでも、ビューファイバーは、機能性多糖のβ-グルカンを従来品種の2倍以上含有する画期的なものである。

「大麦β-グルカン」は高脂血症や糖尿病など生活習慣病の予防に効果があると注目されている水溶性食物繊維で、血中コレステロールの低下や血糖値上昇抑制などの健康維持機能性が報告されている。

これを機にビューファイバーを使ったパンの開発に取り組んだ。小麦粉のようには膨らまずパンには不向きと言われる大麦だけに、試行錯誤の日々が1年続いた。ようやく、満足のいく味わいと食感で、4gものβ-グルカンを含有するヘルシーでおいしいパンができ上がった。大隅さんはこれを「ルジーブレッド」と名付けた。LGIと書いて「ルジー」と読み、「L」は「Low=低い」の頭文字、「GI=Glycemic Index」は血糖値の上昇率を示す指標を意味する。可愛い語感の名前には、「血糖値の上昇を抑えるパン」という高い使命が秘められている。

生産農家⇔パン屋⇔消費者のサイクルで、兵庫県産大麦を使ったパンを作って広めたい

2011年度は地元産の蜂蜜を使った独創的なドイツ菓子の開発・販売で経営革新計画の認定を受けたが、2012年度は兵庫県産大麦を原料とするルジーブレッドの開発・販売で承認された。いずれも、地産地消で素材にこだわってきたカーベ・カイザーらしい視点である。

ルジーブレッドのオープンサンド。ご家庭でもさまざまな召し上がり方が楽しめるティールームの人気メニュー、ルジーブレッドのオープンサンド。ご家庭でもさまざまな召し上がり方が楽しめる

大麦は米の裏作にも適した作物であるが、なかなか作ってもらえないのが現状である。「もっと需要があれば生産してくれる農家も増えるはず。それにはパン屋の意識改革とお客さんの後押しが必要なんです」と大隅さんは言う。
「高齢化社会で、生活習慣病のリスクを持っている人が増えてるんだったらそれにあわせてパンをつくるのもパン屋の生き方。『小麦のパンしか作らない』と言ってたら市場からはじき出されてしまいます。お客さんも『大麦のパンはないのか?作ってよ』と、ご近所のパン屋に言っていただきたいですね。そうすれば、みなさん目をむけるんじゃないかな。」

健康に良い大麦のパンはこれからますます需要が見込まれる。一歩先んじるカーベ・カイザーであるが、その市場を独り占めするのではなく、もっと多くのパン屋に参入してもらいたいと願っている。兵庫県下で大麦のパンを作る店が増えれば兵庫県産の大麦の生産量も増える。店頭にたくさんの大麦のパンが並ぶようになれば食べる人ももっと増える。良い循環(サイクル)が生まれるのである。
さらに、買いに行けない人のために焼き立てを届けるサービスができれば、流通業もそのサイクルに組み込まれていく。
一人のお客様の声から生まれた小さなパンの中に、これからの高齢化社会を考える大きなヒントがぎっしりと詰まっている。


【会社概要】

有限会社 ドイツ菓子 カーベ・カイザー
代表者 代表取締役 大隅 稔雄
本社 兵庫県西宮市甲子園四番町1-31
電話 0798-47-2466
ホームページ http://www.k-b-kaiser.co.jp/