株式会社 コウキ


事務所に掲げられた日本地図。全国に及ぶ納入実績がマッピングされている。
(A)汚染物質に“フタ”を
して上に新しい土を持ってくる方法。
(B)汚染された土を浄化する方法。
(C)その土地の土を“総入れ替え”する方法。
コスト的には(A)がいちばん低く、(B)(C)と高くなっていく。株式会社コウキはいずれの方法も手掛けるが、今回経営革新計画の承認を受けたのは(B)である。「汚染土壌の洗浄浄化・修復」では独自の技術とノウハウ、そして実績を重ね、特許(特許申請中も含む)も取得している。基本的にはそれら浄化の設備を提供し、運営する会社であるが、浄化の工事そのものも行っている。

省スペースの汚染土壌洗浄浄化・修復処理技術をいかした広島県の滞水池の現場。
コウキの土壌の洗浄浄化・修復のアドバンテージは大きい。
●まず洗浄浄化の設備を設置するスペースを大幅に少なくできる。従来の設置スペースは3000~3500m²。ちょっとした公園並みの広さがいる。コウキの洗浄浄化設備は、従来の1/2から1/3ですむ。
●土の浄化には主に水を使うが、これも少なくてすむ。約30m³の土壌の洗浄浄化に必要な水は、従来の半分程度の60tぐらいである。
●VOC(揮発性有機化合物)、重金属、農薬等の混合汚染にも対応できる。
汚染された土は、浄化すべき土地から遠く離れた郊外に設置し、そこまでトラックで運搬し、浄化しなければならなかった。この常識を覆したのが、コウキの開発した新型システムである。設置することの困難な都市部で有効なシステムである。
また汚染された土壌を浄化すると、約20%の土は廃棄しなければいけないが、残りの80%は再利用できる。いわば“土地を生まれ変わらせる”工法で、他の場所に迷惑をかけることが少ない、環境に優しいシステムである。
汚染濃度の高い下水の滞水池だったところの土壌の浄化なども手掛けてきた。

高い技術力を誇るコウキの土壌洗浄浄化処理プラント
「製造業が海外に拠点を移すことが増え、工場の跡地を住宅地にすることが増えてきた。さらに、土壌汚染対策法の改正(2009年4月公布)に伴い、汚染土壌浄化に関する規制は厳しくなっている。こうした状況の中、少ない面積・少ない水で使える新型の土壌洗浄浄化処理プラントはきっと世に評価してもらえるはずだと思いました。」と杉田社長。
自社の技術を試すために、経営革新計画も申請した。申請にあたって、西宮商工会議所に相談を持ちかけたところ、環境技術を専門とする技術士を紹介された。申請書はボリュームがあり、苦労も多かったが、「技術士の先生が文章の書き方など熱心にご指導くださったおかげで助かりました」と、杉田社長は振り返る。

プラント(設備)関係の商社でさまざまな業種をコーディネイトしていた杉田社長だが、やがてその仕事そのものを一貫して行いたいと思うようになり、32歳のときに独立した。
「若かったし、勢いだけで独立したようなものです。なんにもない状態です。仕事に必要な資材も売ってくれませんわ・・・。」
そのような中で苦労もしたが、やがて転機が訪れる。福井県の水害廃棄物処理のプランニングを紹介され、やりとげた。その後、「やはり自社で仕事をこなし、技術も蓄える体制にしないとダメだなあ」と、会社組織を充実させ、廃棄物の破砕・選別処理を中心に関連性のある分野で守備範囲を拡げていった。
今回経営革新計画の承認を受けた、省スペースでの汚染土壌の洗浄浄化・修復も、その延長線上の分野である。廃棄物処理の業界の大手ができないような、小回りのきく分野で強みを発揮している。
株式会社コウキ | ![]() 本社社屋 |
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代表者 | 代表取締役社長 杉田 光男 | |
本社 | 兵庫県西宮市宮前町1-2 | |
拠点 | 神戸出張所 神戸二郎工場 関東出張所 設計分室 中部出張所 東北出張所 |
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グループ会社 | CM&E JAPAN CM&E(タイ国) |
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電話 | 0798-38-1312 | |
ホームページ | http://www.koki-corp.com |