日本管財株式会社

数値目標を設定して環境負荷を低減
建物の総合管理会社として、全国で事業を展開する日本管財株式会社。オフィス・商業ビルをはじめ、マンションやホテル、病院、学校、工場など幅広い施設で、清掃から設備、警備、各種サービスに至る建物の管理業務をトータルに提供している。現在、東証1部上場企業として業界のリーディングカンパニーだ。
同社では、CO2排出量の削減や省エネルギーに取り組むなど、環境対応に積極的である。その一環として2011年8月に、ISO14001の認証を「ビル総合管理及びビル総合管理に関わる支援業務」に関して取得した。
同社のISO管理室の室長、寿均氏によると、認証を取得したのは購買部本社発注センターや大阪本部、主要な管理ビル2棟、品質・業務管理部西日本品質管理センターなど5つの事業所。事業の性質上、製造業などと比べて環境負荷は元々少ないものの、環境への影響が大きいと想定される所を選択した。
事前の調査で浮かび上がった環境対応の課題は、コピー用紙など事務用紙や用品の使用量、そして施設清掃時の洗剤使用の2点であった。これらについて寿氏は「それぞれ数値目標を設定して、用紙の使用量削減や環境負荷の少ない洗剤への切り替えに取り組みました」と述べている。
また、環境対応に向けた活動として、従業員の環境教育および施設オーナーに対する環境設備の提案を挙げている。前者は従業員の環境保全に対する意識の向上を図った取り組みである。また、後者は施設のオーナーに向けて、LED照明や省エネ対応の空調機器等の提案を行うもの。これらについても、セミナーの実施回数や提案見積もりの提出数に目標を設けることで、取り組みの浸透を図った。
環境対応に配慮した事業を推進
認証取得した初年度の取り組みをまとめたマネジメントレビューでは、大阪本部での電力使用量削減や業務用車両の燃料量削減が目標値を達成するなど、具体的な成果を上げたことが明らかになった。
「ISO14001の認証を取得して一年足らずではありますが、各方面で成果を着実に上げています。取り組みについては社内のイントラネットを通じて、全従業員に発信して意識向上を図っています。認証を取得したことによって、企業のブランド価値の向上につながるのに加えて、取引先からの要望条件をクリアする意味でも、当社にとって重要な意義があると考えます」と、寿氏はISO14001の有用性を語っている。
同社は今年度から技術統轄本部を新たに設立した。これは施設管理に関連した各種法令の変更への対応を検討するとともに、環境対応の研究開発をも意図したものだ。同社にはサービス・ソリューションの一つとして「エコマネジメントシステム」がある。これは年間のエネルギー使用量やCO2排出量を管理・分析し、エネルギー消費の妥当性の評価や、省エネ施策の立案、省エネ法などに対する提出書類の作成支援などを行うサービスである。
技術統轄本部では今後、こうしたシステムを活用して、エネルギー計測の「見える化」を更に提案していく考えだ。このほか、照明や空調などの設備に関する省エネ更新などのソリューションを通じて、環境対応に貢献することが可能だ。寿氏は「当社としては、自社の環境対応はもちろんのこと、環境に役立つソリューション・メニューの拡大を通じて、オーナー様への提案力を強化したい」と抱負を語っている。
日本管財株式会社
- 代表取締役社長:福田慎太郎
- 資本金:30億円
- 従業員数:3751名(2011年3月31日現在)
- 設立:1965(昭和40)年
- 所在地:西宮市六湛寺町9番16号
- TEL:0798-35-2200(大代表)