株式会社ケー・シー・エス

コンビニエンスストアへの配送事業などを展開
株式会社ケー・シー・エスは、コンビニエンスストアチェーン『ローソン』の各店舗への配送事業や、食品メーカーの生麺パッキングを請け負う事業も行っている。中でも主力事業である『ローソン』各店舗への配送事業は、関西にある6カ所のCDC(配送センター)から、関西全域の各店舗に向けて1日3便の配送が行われている。
コンビニエンスストアへの配送は食品なども扱うため、24時間絶え間なくセンター内の温度を一定に保つ必要がある。そのため、センター内の空調は24時間止めることはできない。だが、取引先企業が環境に対する取り組みを実施する中で、自社もその取り組みの必要性を実感し、エコアクション21の認証に取り組むことにした。「認証取得後は電力や水、ガスなどのエネルギーについて日々のデータ収集が必要なのですが、当社はエコアクション21を取得する前からこれらのデータを収集していました。ですから認証取得のために業務のシステムを大きく変更する必要などが無かったので、スムーズに取得・導入できました」と業務部設備グループマネージャーの森崎賢次氏。
現場への落とし込みこそが、真の成果につながる
西宮の本社にはCDCも併設されており、さまざまな省エネルギー活動や環境活動に取り組んでいる。敷地内の街灯はすべて消費電力が少ないLEDに変更し、建物内の照明も順次切り替えが進んでいる。「施設全体の消費電力を見ると照明が1/3、空調が2/3の割合です。水の使用量は少ないため、会社全体の省エネを考える上では、センター内の空調をいかにして省エネ化するかがカギになります」と常務取締役の熊谷勉氏。
そこで、夏の省エネ対策に関する様々な情報を収集し、館内空調の室外機に対するミスト噴霧やすだれを掛けるなどの対策を行った。これが相当な効果を挙げているという。
また、省エネ以外にもエコアクション21認証による効果はたくさんある。例えば、毎日始業時間前にスタッフが自主的に館内清掃を行うなど、認証取得への取り組みを通じて、会社全体に環境への意識が高まったという。「周辺清掃は習慣づきましたね。本当の成果につなげるには現場に落とし込むことが大切。中でもスタッフ側からの自発的な環境活動は大きな成果です」と森崎氏。
正しい環境活動はコスト削減にも貢献する!
環境活動に継続的に取り組んでいくためには、コスト面での検証も重要な要素だという。「エコアクション21の取り組みで収集&整理されたデータによって、環境活動がコスト削減に通じることを会社全体で共有することができました。今では環境活動のために取得したデータを設備投資の判断材料としても活用しています。企業としても環境活動にやりがいを感じていますよ」と熊谷氏。また、作成した環境レポートは各取引先や運送会社にも配布している。これにより、取引先も様々な方法で協力してくれるようになった。
最後に、今後の環境活動や省エネに関する取り組みについて尋ねると、コストだけではなく多面的に検討を重ねつつ進めていく予定だという。熊谷氏は「エコアクション21の取り組みを始めた6年前とは違い、環境に関する情報やデータが集まるようになりました。どんな施策を実施するかは、各センターへの横展開の容易さやメンテナンスの容易さなども重要なポイント。当社にとって最適な環境活動、省エネ活動を選択して取り組んでいきます」と語った。
株式会社ケー・シー・エス
- 代表取締役社長:山下憲一
- 資本金:8,000万円
- 従業員数:約500名
- 創業:1986(昭和61年)年
- 所在地:西宮市西宮浜1-43
- TEL:0798-35-9035(代表)