松本金属株式会社

ISO14001の認証取得で環境活動を本格化
地上アナログ放送終了まで、あと1年となった。テレビの買い替え需要は一段とヒートアップしそうだが、その薄型テレビ用シャーシパネルやスタンドなど
の部品を製造しているのが、松本金属である。
住設関連製品の受託加工と建築関連製品・金物の開発製作販売を主軸に据えており、海外メーカーとの競争は厳しいが、多様な技術の組み合わせによる「複合生産技術力」と、試作から量産まで自社で一貫して行う独自の「ワンストップ生産力」が強みだ。
同社のものづくりの「背骨」は、2000年に取得したISO9001の認証である。品質マネジメントを徹底させることで国際競争力を高めたい、という思いから導入に踏み切った。時間もコストもかかったが、社員一人ひとりが主体的に取り組むことにより、経営面でも大きな成果を上げている。
これに続いて、2005年にISO14001の認証を取得。
環境への取り組みを本格的にスタートさせた。当初はエコキャンペーン提案として、社員から取り組みを公募。
その中から、社有車タイヤの空気圧の適正管理、エアコンフィルターの定期清掃などを実施し、全社あげて環境への関心を高めていった。
環境配慮型照明器具で電力消費を大幅ダウン
環境対策の大きな目標は、CO2の排出量削減。受注先の家電メーカーからの協力要請もあり、具体策が必須であった。
そこでまず、エネルギー消費を全面的に見直した。同社では電気エネルギーの消費量が大きかったことから、水銀灯と同じ明るさで62%省エネになるエコ蛍光灯への切り替えを推進。
2009年3月から段階的に工場の照明器具を蛍光灯へシフトしていき、10年5月末に水銀灯を一掃。
また、各所に人感センサーを取り付けて、電灯の消し忘れを防止。
事務所や廊下などの照明も、照度をチェックして効率のいい配置に変えた。
こうした設備投資や工夫が功を奏し、電力量は一気に47%ダウン。契約量の100KW削減を実現した。
電気代が大幅に下がったことから、エコ蛍光灯への切り替えに要したコストは、数年以内に回収できる見込みだという。
本社工場の壁面をゴーヤで緑化
工場内に、熱気が滞留しない環境に配慮したスポットエアコンを採用する。
照明器具を減らす場合は十分な照度を確保するなど、快適性にきめ細かく配慮している。
また、エコ活動をするメリットや意義について、社員と会社が考え方を共有しており、社員の方からのエコ提案も上がってくる。
さらに、日常生活でもエコを意識するようになったという。
そんな社員のエコキャンペーン提案の一つとして、昨年春に工場の南壁にゴーヤを植えた。壁面緑化で省エネを図ろうという試みで、ねらい通り工場の室温低下に役立った。
しかも、それだけではない。買い物かご10杯分のゴーヤを収穫し、社員全員が環境への取り組みの成果を味わった。今年はゴーヤに加えてアサガオも植え、社員だけでなく周辺住民の目も楽しませている。
松本金属株式会社
- 代表取締役社長:岡田 健氏
- 資本金:5,000万円
- 従業員数:140人
- 本社:西宮市西宮浜4-6-8
- TEL:0798-36-9888
- https://www.matukin.net/