住田建設株式会社

エコアクション21認証・登録でエコ活動を本格化
大阪ガス指定工事会社として、阪神間を中心にガスを安定供給する工事や住宅設備機器の施工を請け負っているのが住田建設だ。
近年、大手企業の多くが環境への取り組みや環境経営システムの構築を取引条件としているが、同社でも取引先である大阪ガスの要請がエコ活動のきっかけとなった。それは、国際規格のISO14001か環境省が策定したエコアクション21のいずれかを取得することであった。
同社では、中小事業者でも取り組みやすく、低コストでシステム構築が容易なエコアクション21を選定。2007年5月から取得に取り組み、CO2排出量の削減などの目標を掲げ、翌年1月に認証された。
エコアクション21は、環境活動レポートの公表が義務付けられ、達成できた項目もできなかった項目も全てオープンになるため、認証・登録者の意識が高まる仕組みとなっている。
また環境マネジメントシステムとして認知度も高まっており、認証・登録者数も全国で5,000事業者を突破。実際の環境負荷低減の取り組みを伴う活動であること、登録者の98.4%が従業員100名以下の事業者であることが特徴だ。
エコアクション21取得後、同社では、紙・ゴミ・電気・水といった直接的なエコ活動だけではなく、各部門別に環境目標を組み込むなど、さらに一歩踏み込んだ取り組みを始めた。
例えば、営業部門では、環境配慮型の家庭用給湯暖冷房システム“エコウィル”や太陽光発電といったエコ商品の販売に注力。施工部門では、工事区間の両端に掘削坑を設けてガス導管を地中に引き込み、堀削土等を大幅に削減する環境に配慮した「非開削工法」を積極的に導入。
資材管理部門では、これまで産業廃棄物として一括処理委託していた廃棄物などを徹底的に分別することで、金属類などを有価物として売却できるまでになった。
また、骨材の再利用や再生アスファルトの利用促進といった3R活動にも積極的に取り組んでいる。
指標を削減金額として、成果を「見える化」
電力やガス、ガソリンのエネルギー使用量削減に加え、2年目から、それらの削減金額も指標として環境目標に追加した。エコ活動の成果を全社員でわかりやすい形で共有するためだ。
エコ活動の取り組み当初は、社内で戸惑いの声もあったが、具体的に成果として表れてから全社員に変化が生まれたという。紙の使用を最小限に抑えるため両面コピーやプロジェクターを利用するようになるなど、エコ活動は当然であると社員のエコ意識が高まってきたのである。
その結果、2009年度は省エネ活動やエコドライブの取り組みにより、目標としていた10倍もの経費削減を達成した。
「環境を意識することで、工事品質の向上にもつながった」と推進担当者。
自社の事業規模や内容に適した環境への取り組みは、環境面だけでなく目標管理の徹底による経費の削減や生産性の向上にもつながったという。
引き続き、なぜ環境に取り組むのかという意識付けや成果の見える化を徹底することで、エコ活動の持続的な発展を目指す考えだ。
住田建設株式会社
- 代表取締役社長:藤谷 義一氏
- 資本金:4,500万円
- 本社:西宮市西宮浜2-30
- TEL:0798-23-0331
- http://www.e-sumita.co.jp/