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事業計画

【平成29年度 事業計画】

Ⅰ.基本的な考え方

1.社会経済情勢
 わが国の経済は緩やかに好転の兆しが見えてはいるものの、一方では個人消費や設備投資に弱さが見られるなど減速感が増している。国外に目を転じると、英国のEU離脱、中国ほか新興国経済の減速や1月に就任した米国新大統領が打ち出した、自国第一主義、保護貿易主義の台頭など先行きの不透明感が漂っている。こうした中、中小・小規模事業者は仕入れ価格や人件費、エネルギーコストの上昇などにより厳しい経営環境に置かれ不安感が顕在化しつつある。
 しかしながら、中小・小規模事業者は地域経済の重要な担い手であり、今後、経済の好循環による持続的な成長を遂げるためには、これら事業者の経営を支え、事業発展に向けた前向きな挑戦を後押しすることが、地域を活気づけ、地域創生の原動力につながるものといえる。平成26年の改正小規模支援法により、商工会議所は中小企業支援の“中核”として位置付けられ、今後さらに、地元自治体をはじめ各種支援機関と一体となって、地域総ぐるみで支援を図っていくことが求められており、その果たす役割はますます大きくなっている。
2.本商工会議所の状況
 平成26年10月の4委員会(総務企画、企業力強化、地域力強化、組織力強化委員会)からの提言を受け、「輝くひとづくり、ものづくり、まちづくり」のスローガンを掲げ、地域の中小・小規模事業者がそれぞれのライフステージ(創業・成長・成熟・承継)で抱える様々な経営課題に対し、きめ細かな伴走型支援に取り組むとともに、魅力あふれる活力ある地域づくりに積極的に取り組んできた。
 27年12月に、本会議所の経営発達支援計画が経済産業大臣から認定されたことから、これまで以上に中小・小規模事業者の課題を自らの課題として捉え、これら事業者の持続的発展を支援する「個社支援」、活動の場である地域の活性化を目指す「面的支援」について、西宮市をはじめ各関係機関と十分な連携を図りながら積極的に推進する。
 また、市においては27年度末に「西宮版総合戦略」を策定したが、基本目標の一つに「稼ぐ力を引き出し市民の暮らしを支える産業支援」を掲げ、市民の暮らしと産業が結びつくことによる正の経済循環が形成されることを目指すとしている。
 29年度に本会議所は創立75周年を迎えるが、これを契機に新たな事業を立ち上げ継続実施を目指す。また、これまでの「輝くひとづくり、ものづくり、まちづくり」に「ことづくり」を加え、「輝くひとづくり、ものづくり、ことづくり、まちづくり」のスローガンのもと、新たな視点を取り入れた会議所活動に取り組む。
3.平成29年度の取り組み
 平成29年度は第27期(平成28年11月~30年10月)の実質的なスタートの年であり、これまで取り組んできた施策、事業についてPDCAサイクルを意識した評価、検証を行うとともに、「第27期西宮商工会議所運営大綱」を踏まえながら下記の基本的事項を中心に施策、事業を推進する。
 (1) 中小企業を元気にする活動の強化
 商工会議所が中小・小規模事業者を対象として実施する経営・金融・税務に関する相談・指導を中心とする経営改善普及事業などはいずれも地域経済の振興、発展にとって不可欠であり、国が掲げる地方創生実現のための「中核」を成す取り組みの一つである。今後も引き続き、経営指導員などによる伴走型支援を実施し、相談体制の強化を図るとともに高度かつ専門的な課題に対しては、各種専門家と連携し、個別相談会や専門家派遣事業などに取り組む。
 事業者数が減少傾向にある中、創業人材の育成を図り新たな都市型産業を排出するため、創業支援事業についても積極的に実施する。
 また、小規模企業基本法、改正小規模支援法に基づき、中小・小規模事業者が積極的に事業を展開し、持続的発展が遂げられるよう、経営発達支援計画に基づく諸施策、事業を推進する。
 環境経営の基本となる環境マネジメントシステムの取得を支援するとともに、事業所の生産、物流などの省エネルギー化やエコオフィス化を支援する。さらに、各事業所の職場環境の維持改善を図ることにより、業務能率の効率化を推進するため5S活動などの支援を行う。
 (2)地域経済を元気にする活動の強化
市内の商業集積の魅力を高めるために、地域の飲食店等が組織的に実施する事業や若手経営者を中心とした事業活動を支援するなど、商店街、まちなかの活性化を図る。
西宮にある魅力的な地域資源(自然環境、風土、歴史、文化など)を産業活動に結びつけた観光振興に取り組むとともに、西宮の産業特性を活かし、日本酒をはじめ、食分野における観光資源を「西宮ブランド」として情報発信するなど、地域産業の活性化に努める。
 (3)組織財政基盤の強化
 地域で唯一の総合経済団体として商工会議所は多くの事業者からの信頼を得られる存在でなければならない。そのためには組織財政基盤を強化し、会員ニーズを踏まえた幅広いサービスの提供が必要である。経営指導員などによる会員事業所への巡回指導の強化を図り、会員の退会防止に努めるとともに、新規会員の獲得を目指す。
 また、根幹事業である委員会、部会活動の一層の活性化や会員サービスの向上に取り組むとともに、国、県、市の補助金など特定財源の確保や会員数の拡大とそれに伴う会費収入をはじめ検定事業収入、会館運営収入や共済事業収入など自主財源の増収に努める。
 (4)特定課題への対応
①(仮称)産業振興基本条例の制定
 中小・小規模事業者が持続的に発展するとともに、意欲ある事業者が成長していくためには自助努力はもとより、事業者を地域全体で育て支援していくことが重要である。併せて「小規模支援法」の改正により、商工会議所が小規模事業者による事業計画の策定を支援し、その着実なフォローアップを行う「伴走型支援体制」を構築するなど、自治体や地域の金融機関等と連携して、小規模事業者の意欲ある取り組みを支援する体制を整備していかなければならない。
 このため、予てより市に対し「(仮称)西宮市産業振興基本条例」の制定を求めているが、産業振興審議会での議論を踏まえ、早期制定に向けた取り組みを推進する。
②西宮商工会館あり方の検討
 平成27年度に西宮商工会館・本館の耐震診断をした結果、建物の意匠上、外周周りの柱部分が小さく、またコンクリート強度が十分でない箇所があるなど、耐震性に課題があるという結論が出た。加えて、建築後50年が経過し老朽化が著しい。
 このため「西宮商工会館あり方検討特別委員会」を立ち上げ、今後のあり方について検討を進めているが、将来における商工会議所が果たすべき役割などを議論したうえで、商工会館が今後どうあるべきかについて順次検討し、29年度末を目途に結論を出す。
③中期行動計画の策定
 市では平成31年度からスタートする「第5次西宮市総合計画」及び「第3次西宮市産業振興計画」を策定するとしている。本会議所においても、これら市の計画策定に連動させ、31年度を初年度とする「中期行動計画」を策定する。29年度については、策定に向けた準備期間に位置づけ、これまでに取り組んできた施策、事業の調査、検証などに取り組む。
④創立75周年事業などの取り組み
 平成29年に本会議所は創立75周年を迎えるが、これを契機に新たな事業を立ち上げ、今後も継続して実施し、魅力ある会議所づくりに努める。
 また、消費の中心が「もの」から体験などを楽しむ「こと」に移る中、これまでの「輝く人づくり、ものづくり、まちづくり」に「ことづくり」を加え、「輝く人づくり、ものづくり、ことづくり、まちづくり」のスローガンを掲げ、新たな視点や価値を付した施策、事業に取り組み、より親しまれ、信頼される会議所を目指す。

Ⅱ.主要施策、事業の概要

1.企業力の強化〔中小企業を元気にする活動の強化〕
 (1) 経営発達支援事業の実施
①地域経済動向調査、経営分析・需要動向調査
②事業計画の策定・実施支援
 (2) 中小・小規模事業者など経営支援事業の推進
  • ①経営指導員による経営改善普及事業の伴走型支援の強化
  • ②専門家派遣と専門家による個別相談の実施
  • ③西宮市と連携したものづくり企業の活性化の支援
  • ④小規模事業者経営改善資金(マル経)融資制度の普及、推薦及び各種融資制度の利用促進
  • ⑤地域金融機関との連携強化
  • ⑥近畿経済産業局や西宮市、経営革新等認定支援機関などと連携したものづくり補助金など補助金・助成金の説明会・個別相談会の開催
  • ⑦経済産業省関連の小規模事業者持続化補助金、ものづくり補助金などの事業採択支援及び運用支援
  • ⑧「経営革新認定企業(兵庫県)」の取得支援
  • ⑨消費税率改正及び軽減税率の導入に伴う相談の強化、セミナーなどの実施
  • ⑩緊急時企業継続計画(BCP)の策定支援をはじめ事業承継など経営課題解決への取り組みの支援
  • ⑪「エコアクション21」の認証取得支援をはじめ環境経営などの取り組みの支援
  • ⑫後継者育成塾の開催
 (3) 販路開拓の支援
  • ①阪神間4商工会議所連携事業の実施
  • ②新商品開発の支援(異業種活性化支援事業)
  • ③ITセミナーの実施
  • ④事業所の販路開拓の支援
  • ⑤新価値創造展(東京)への出展支援(*)
 (4) 起業家の発掘と若手経営者の育成
  • ①「起業塾」、「経営者塾」の開催
  • ②創業計画策定などの伴走型支援の実施
  • ③各種金融機関などとの連携の強化
  • ④「西宮ビジネスイノベーションサポーターズネット(N-bis)」の拡充
 (5) 環境経営への取り組みによるエコタウンづくり
  • ①中小企業に対する環境経営支援事業の実施
  •  ・環境経営などセミナーの開催
  •  ・省エネ診断の実施
  •  ・環境マネジメントシステムの取得支援
  •  ・エコドライブの導入支援
  •  ・5S活動の導入支援
  • ②エコタウンづくり推進特別委員会の開催
 (6) 雇用対策と人材育成
  • ①事業所の人材採用の支援
  • ②人材育成事業の実施
  •  ・西宮地区雇用対策協議会との連携事業の実施(新入社員研修など)
  •  ・階層別・職務別研修の実施(企業参謀育成セミナー(*)など)
  • ③労務問題に関するセミナーや個別相談会の実施
2.地域力の強化〔地域経済を元気にする活動の強化〕
 (1) 商店街・まちなかの活性化
①西宮市商店市場連盟との連携
②地域イベント「バル」の支援
③西宮市・兵庫県の「空き店舗等活用・活性化事業」の活用
 (2)都市型観光振興事業の推進
①西宮市、西宮市観光協会と連携した都市型観光の推進(*)
②「第21回西宮酒ぐらルネサンスと食フェア」の開催(*)
③「西宮の日本酒」振興プロジェクト事業の実施
 ・にしのみや日本酒学校の開催
④西宮ブランド発信事業の推進
 ・西宮和菓子ブランド発信事業の実施
 ・第18回西宮洋菓子園遊会の開催
⑤西宮洋菓子研究会の支援
⑥異業種交流活性化支援事業の推進
3.組織力の強化〔組織財政基盤の強化〕
 (1) 組織・財政基盤の強化、情報発信力の強化
①議員総会などの開催
②会員加入促進の強化
 ・3000会員の回復
 ・未訪問会員への訪問強化
③委員会・部会活動のさらなる活性化
④マスメディアへの情報提供の推進
⑤青年部活動・女性会活動の支援
 ・阪神7市1町女性会会員交流会の開催(*)
⑥所報及びホームページなどの広報活動の充実
⑦人材育成・高齢者活用の推進
 ・職員の能力、モラールの向上
⑧関係機関との連携
 ・日本商工会議所・関西商工会議所連合会・兵庫県商工会議所連合会など
⑨「市民に開かれた商工会議所」の推進
 ・賀詞交歓会の開催
 ・社会貢献活動の推進
 ・国際交流活動の推進
⑩創立75周年事業などの実施(*)
 ・創立75周年記念会員事業所顕彰
 ・「健康経営」の啓発及び支援
 ・「(仮称)西宮マイスター認定制度」の構築
 ・若年層への市内企業認知活動の実施
 ・「ことづくり」啓発セミナーの実施
 (2)会員事業所へのサービスの充実
①西宮商工会館の運営
②西宮商工会館本館の今後のあり方の検討
 ・「西宮商工会館あり方検討特別委員会」の運営
③「会員サービス事業の推進
 ・成人病総合検診、定期健康診断事業の実施
 ・GSI事業所コード(JAN企業コード)の登録
 ・貿易証明書の発行
 ・労働保険事務の代行
④福祉共済事業の実施
 ・生命共済(くすのき共済)、特定退職共済制度など各種共済制度の推進
 (3)技術・技能の検定
①珠算検定・珠算競技大会の実施
②日本商工会議所、東京商工会議所検定試験の実施
 (4)意見・要望活動の推進
①各部会・委員会活動、巡回などを通じての会員の意見集約
②国・兵庫県・西宮市などへの政策要望・意見の具申
③兵庫県・西宮市幹部と正副会頭との懇談会の開催

(注記) (*)は新規及び拡充の施策、事業を表す